古いPHPサイトを「営業の入り口」にする——レガシーWeb保守ビジネスの仕組みと可能性

この記事でわかること

  • 世の中には「壊れかけたWebサイト」があふれている
  • なぜ今、この問題が深刻なのか
  • PHPのバージョン問題
  • SSL・ブラウザ互換性
  • 「ある日突然壊れる」リスク
  • このビジネスの本質——「壊れる前のリスクを見つける」

世の中には「壊れかけたWebサイト」があふれている

日本には数百万を超えるビジネス用Webサイトが存在しています。そのうち、最後に更新されたのが5年以上前というサイトは珍しくありません。

問題は「古い」ことではなく、気づかないうちに壊れかけていることです。

PHPのバージョンが古いまま放置されている、SSLが切れかけている、モバイル非対応のレイアウトがそのまま使われている——そういったサイトは、ある日突然エラーになったり、検索結果から消えたりします。

その「ある日」がいつ来るかは、サイトのオーナー自身が一番気づいていません。


なぜ今、この問題が深刻なのか

PHPのバージョン問題

PHPには公式のサポート期限があります。PHP 7系はすでにサポートが終了しており、セキュリティパッチも提供されません。サーバー会社が強制アップグレードを行った瞬間、古い書き方のサイトは動かなくなります。

SSL・ブラウザ互換性

HTTPSに対応していないサイトは、Chromeなどのブラウザで「安全でないサイト」と表示されます。問い合わせフォームに入力しようとしたユーザーが離脱するのは当然です。

「ある日突然壊れる」リスク

レンタルサーバーの仕様変更、WordPressの自動更新、プラグインの非互換——どれも予告なく発生します。オーナーがそのリスクを認識していなければ、対処は後手に回ります。


このビジネスの本質——「壊れる前のリスクを見つける」

これは「古いサイトを探す営業」ではありません。

「壊れる前のリスクを顕在化させるビジネス」です。

保険に近い感覚です。「何かあってからでは遅い」という状況を事前に示し、今のうちに手を打つことを提案する。それが、このビジネスモデルの核心です。


具体的な仕組み

このビジネスはAIを活用することで、調査から営業文生成まで半自動で回すことができます。

① URLの収集

Google検索やGemini APIを使い、特定業種・地域のビジネスサイトURLを自動収集します。「士業 地域名 公式サイト」「建設会社 ○○市」などのクエリを大量に処理します。

② Claude Codeによる技術解析

収集したURLに対してClaude Codeがアクセスし、PHPバージョン、WordPressのバージョン、SSL有無、モバイル対応状況などを自動で判定します。

③ レガシースコアリング(10点満点)

解析結果をもとに「リスクスコア」を算出します。スコアが高いほど緊急度が高く、営業優先度も上がります。

④ 営業優先度の分類

スコアをもとに A(高優先)/B(中優先)/C(様子見)に自動分類。限られた営業リソースを高確率のターゲットに集中できます。

⑤ 営業文の自動生成

ターゲットのサイト特性に合わせた営業メールの文章をAIが自動生成します。「御社のサイトですが、現在使用されているPHPのバージョンが…」という具体的な指摘から入れるため、開封率・返信率が上がりやすい構造です。


なぜ収益が成立するのか

このビジネスが機能する理由は、「潜在リスクを顕在化できる」からです。

サイトオーナーはリスクを知らない。知らせてくれる人もいない。そこに専門知識を持ったパートナーが現れると、「じゃあお願いしたい」という動きが自然に生まれます。

収益の流れとしては以下のようになります:

  • 初回改修費用:PHP対応・SSL整備・テーマ更新など(数万〜数十万円)
  • 保守契約:月額での継続サポート(ストック型収益)
  • 追加提案:フォーム改善・SEO対応・リニューアルへの展開

緊急性は低いですが、「いつかは必ず発生する」問題です。それが営業のしやすさにつながります。


どの業種が刺さるのか

特に有効なのは以下のような業種です。

  • 士業(行政書士・税理士・司法書士など):サイトは持っているが、IT担当者がいない
  • 製造業・建設業:古いサイトをそのまま使い続けているケースが多い
  • 地方の小売・飲食店:10年前に作ったサイトが今も現役

共通しているのは「ITに詳しくない」「困っているが気づいていない」という点です。技術的な問題を分かりやすく説明し、解決策を提示できると、信頼につながりやすい業種です。


このビジネスの強み

競合が少ない:積極的にレガシーサイトを探して保守提案を行っている事業者は、まだほとんどいません。

参入コストが低い:AIツールと調査スクリプトがあれば、大きな設備投資なしに始められます。

ストック型に育てやすい:初回の改修から、月額保守契約へとつなげることで、安定した継続収益になります。


まとめ——技術×営業のハイブリッドモデル

このビジネスは、Webの技術知識と営業の行動力を組み合わせたハイブリッドモデルです。

小さく始めることができ、AIで効率化できる部分が多く、成果が出れば横展開もしやすい構造です。

「誰かのために動く」という姿勢さえあれば、専業エンジニアでなくても十分に取り組める仕組みです。まずは自分の周りで「古いサイトを持っているかもしれない知人」に声をかけるところから、始めてみてもいいかもしれません。


関連記事

ブログ

BLOG

PAGE TOP