AIに「相談役」と「作る役」を分けたら、仕組みが増えなくなった
AIに「作って」と頼む前に、相談役のAIに「今あるもので足りないか」を探してもらうようにしました。すると、新しい仕組みをほとんど作らずに済むようになりました。3回シリーズの中編です。
前編のおさらい
前編では、AIのセッションを「秘書」「整理」「メンテ」「設計」という部署に分け、それぞれに名札(性格)をつけた話を書きました。
今回の主役は「設計」です。設計は、「こういう仕組みがほしい」という相談を受ける窓口です。ただし、自分では作りません。「何を・どこに・どんな形で」を決めるところまでが仕事です。
秘書から設計へ、相談が届いた
その日の朝、「そろそろ連絡したい人」の一覧と、近況を気づかう声かけ文を作る仕組みを用意しました。
ところが、この仕組みは「声かけ」と言わないと動きません。連絡の目安の日を過ぎた人がいても、気づかないまま日がたってしまいそうでした。
そこで、日々の用件をさばく「秘書」のセッションから、「設計」のセッションへ、メッセージで相談を送ってもらいました。AIのセッション同士は、メッセージでやりとりできるんです。
相談の型は「3つ」だけ
秘書が設計に送った相談は、次の3点にまとめてありました。
- 困っていること:「声かけ」と言わないと動かない。目安の日を過ぎた人に気づけない
- できあがったら楽になること:「今週声をかけるといい人」が、聞かなくても週に1回、目に入る
- 前提:送るのは自分。まだ確認が済んでいない人は出さない
この型で渡すと、受ける側が迷わずに動けます。人間どうしの相談でも同じですね。

設計がやったこと
設計は、すぐに何かを作り始めませんでした。
1. 今あるものを確かめた
声かけ文を作る仕組みには、「そろそろの人を出す条件」がすでに書いてありました。また、毎週月曜に週報を作る定期実行も、すでに動いていました。この形は、そのまままねできます。
2. 候補を2つに絞って、おすすめを1つ言った
- A:毎週月曜の朝に、一覧を通知する定期実行(おすすめ)
- B:秘書が、朝いちばんに一覧を見る(手軽だが、開いた日にしか動かない)
私はAを選びました。
3. 細部の落とし穴を、先に潰した
ここがいちばん感心したところです。
条件を「目安の日が今日以前の人」にすると、月曜の朝に見たとき、火曜や水曜に目安の日が来る人がこぼれてしまいます。そこで設計は、条件を「目安の日が今週の日曜までの人」に変えました。
さらに、「次の月曜に実行したら、誰が出てくるか」を例で確かめてから決めています。
4. カードを書いて、作る役に渡した
決まったことは「カード」(作業の置き手紙)に書きました。実際に組むのは、そのカードを開いた別のセッションです。設計は、作り込みまではしません。
結果:新しい仕組みは、ほとんど増えなかった
足すことにしたのは、毎週月曜7時の定期実行1本だけです(この記事を書いた時点では、これから組むところです)。新しいスキル(AIへの頼みごとのひな形)は作りませんでした。
相談役と作る役を分けたことで、設計の段階で「作らない」という答えが出せるようになったんです。作る役に直接「作って」と頼んでいたら、たぶん新しい仕組みが1つ増えていたと思います。
同じ日に、もう1回あった
その日のうちに、もう1つ相談をしました。
いろんなセッションで聞かれたまま答えていない質問を、1か所でまとめて答えたい
このときも設計は、新しく作りませんでした。調べてみると、ちょうどそのための仕組み(全セッションから質問を集めて、まとめて聞き、答えを返すコマンド)がすでにあったんです。設計の答えは「新しく作らず、今あるもので足ります。まず一度試してみて、使いにくければまた相談してください」でした。
おわりに
AIに仕事を頼むと、つい「作って」と言いたくなります。でも、作るほど仕組みは増えて、あとで管理が大変になります。
「作って」の前に、「今あるもので足りないか探して」。
それを頼める相談役が1人いるだけで、仕組みは増えにくくなりました。
後編では、こうした部署たちを、1つのセッションからまとめて動かす話を書きます。セッションを1つずつ開いて回るのをやめたら、頭の負荷がぐっと下がりました。
