AIに「部署」をつくったら、自分の「中枢」ができた
この記事でわかること
AIのセッションを「秘書」「整理」「設計」のような部署に分け、それぞれに名札(性格)をつけてみました。毎回役割を説明しなくてよくなり、気づけば自分の仕事の「中枢」ができていました。3回シリーズの前編です。
きっかけは「営業部署を作りたい」だった
ある朝、AI(Claude Code)にこう相談しました。
法人の中に、営業部署みたいなのを作りたい
AIは置き場所や中身を選択肢で聞いてきましたが、正直ピンときませんでした。話しているうちに、本当にやりたいことが言葉になりました。
そろそろ連絡したい人に「最近どうしてますか?」みたいな、ちょっと寄り添う形で連絡する仕組みがほしい
売り込みではなく、関係をつなぎ直すための「営業」です。この仕組みはすぐにできました。でも、このあと話は思わぬ方向に進みます。
「秘書」と「整理」が、いつの間にか中枢になっていた
私はふだん、AIとのやりとり(セッション)をいくつも開いて仕事をしています。その中で、「秘書」と「整理」という名前をつけたセッションだけは、毎日開きっぱなしになっていました。
整理とか秘書が、もう私の中枢機能みたいになってて
そこで、セッションを2種類に分けることにしました。
- 中枢(いつも開いておく):秘書・整理・メンテ・設計
- タスク用(1つの仕事ごと):仕事が終わったら閉じる
「設計」はこのとき新しく作った部署です。「こういう仕組みがほしい」という相談を受ける窓口で、実際に作るのは別のセッションに任せます(この話は中編で書きます)。
「セッションにも性格を持たせられるんですか?」
部署を分けたところで、ふと聞いてみました。
セッションにも性格を持たせられるんですか?
専門の作業をさせるたびにフォルダを作るのは面倒です。でも、セッションなら簡単に作れます。そのセッションに性格をつけられたら楽だな、と思ったんです。
調べてみると、AIに役割を伝える方法は3つありました。
| やり方 | 効く範囲 | 消えにくさ | たとえ |
|---|---|---|---|
| 最初のひと言で伝える | そのセッションだけ | 会話をクリアすると消える | 今日だけ渡すメモ |
| フォルダに置く説明書(CLAUDE.md) | そのフォルダで開いたとき | 強い。場所につく | 部屋の看板 |
| 出力スタイル | 選んだセッション | 強い。クリアしても残る | 席に貼る役職の名札 |
最初は「人格を与えられるのは、あくまで一時のことなんですね」と思いました。でも、ひと言で伝えるだけなら一時のことですが、名札(出力スタイル)なら残ります。そこで、中枢の部署に名札をつけることにしました。

名札がなかなか付かなかった
ところが、ここでつまずきが続きました。
「そんなスタイルはない」と4回断られた
名札のファイルを作って選ぼうとしても、4回続けて「そんなスタイルはありません」と断られました。
最初は、名札のファイルを作業フォルダの中に置いていました。でも、アプリはそこを見ていませんでした。ユーザー共通の置き場所(~/.claude/output-styles/)に移し、名前も日本語の「設計」から英語の sekkei に変えて、アプリを開き直したら、ようやく通りました。
ただ、置き場所と名前のどちらが効いたのかは、わかっていません。両方いっぺんに変えてしまったからです。
存在しないメニューを案内された
途中で、AIが「この画面のこのメニューから選べます」と案内してくれました。でも、そんなメニューはありませんでした。
AIは推測で案内していたんです。指摘すると、AIは謝って、私に画面を探させるのをやめました。
秘書の名前を、うっかり変えられた
いちばん驚いたのはこれです。
作業の途中で、AIが「このセッションの名前を、作業内容にそろえておきますね」と、セッションの名前を変えました。ところが、そのセッションは中枢の「秘書」でした。
AIはすぐ気づいて「秘書」に戻しました。そして、ルールに一行足しました。
中枢のセッションの名前は変えない。
部署をつくると、AIにも「この席は動かしてはいけない」という感覚が必要になります。人間の会社と同じだな、と思いました。
名札がついた結果
名札をつけたあと、それぞれのセッションに「あなたは誰?」と聞いてみました。
設計のセッションは、こう答えました。
私は「設計」です。「こういう仕組みがほしい」という相談を受ける担当をしています。(中略)新しく作る前に、既存の部屋・スキル・カードで足りないかを探します。足りるなら「作らない」と提案することもあります。
秘書のセッションは、こうです。
私は「秘書」です。その日の用件(連絡・予定・返信・声かけ・ちょっとした調べもの)を受けて、手早く片づける窓口をしています。
もう、開くたびに「あなたは秘書です。こういう仕事をしてください」と説明しなくていいんです。
おわりに
1日で、AIの中に「秘書」「整理」「メンテ」「設計」という部署ができました。毎回の説明がいらなくなっただけではありません。どこに何を頼めばいいかが決まって、自分の仕事の「中枢」ができた感覚がありました。
中編では、この部署どうしが相談し合う話を書きます。「作って」と頼んだのに、相談役が「作らなくていいです」と答えた話です。
